適応条件
(1)適応土質、条件および適応能力
適応条件 | 適応能力等 |
---|---|
標準土層 (A土質) |
全く問題ありません。 |
砂質土層 礫混り (B土質) |
全く問題はありませんが、一度開削後の埋戻し砂部の掘進は検討を要します。 (小土被り=1.0 D0及び、1.2m以下区間で空隙率の非常に高い区間) |
砂礫土層 玉石混り (C土質) |
基本的には呼び径の40%程度が取込型標準機の摘出能力です(次表参照)。 排土口径は前述の通りとなっております。 巨石率は呼び径の30%程度の玉石径で推進1m当り4個程度が限界です(その時点で管径アップも検討する必要があります)。 礫率:90%程度まで取込型標準機にて対応可能です。 N値:50/10程度まで取込型標準機にて対応可能です。 それ以上の条件では破砕型掘進機を使用します。 |
粘性土層 硬質土層 (D土質) |
固結粘性土層から軟弱粘土層まで問題ありません。カッタビットへの粘土の付着が多い場合、高分子作泥材が増加いたします。 取込型標準機における硬質土層の一軸圧縮強度5MPa(MN/m2)未満まで可能とします。 |
粘性土層 硬質土層 (G-1土質) |
固結粘性土層から軟弱粘土層まで問題ありません。 カッタビットへの粘土の付着が多い場合、高分子作泥材が増加いたします。 当区分は、硬質土層の一軸圧縮強度5MPa(MN/m2)未満までを対象とします。 |
巨石・玉石層 (G-2土質) |
破砕型掘進機における巨石・玉石の一軸圧縮強度は350MPa(MN/m2)程度まで(岩盤層は除く)とします。 ただし、一軸圧縮強度が300MPa以上の巨石の場合は、呼び径の80%程度とします。 |
岩盤層 (G-3土質) |
破砕型掘進機における岩盤等の一軸圧縮強度200MPa(MN/m2)程度まで掘進可能です。 |
無水層 | 均一なテールボイドを構築しているため十分掘進可能です。 問題となる土質は玉石砂礫層であり、管外周面抵抗値が10~20%程度増加いたしますが、 他の土質では周辺摩擦の補正は必要ありません。 |
高透水性地盤 | 透水係数5.0×10-1cm/sec(5.0×10-3m/sec)まで対応可能ですが、 管外周面抵抗値が10~15%程度増加し、高濃度泥水注入量が10~20%程度増加いたします。 |
高水圧、被圧 | 標準の掘進機使用の場合は水頭差が20mまでとなっております。 排土設備は土被りがGL-12m程度から2段排土となります(下り勾配も同様)。 水圧0.2MPa以上は追加設備が必要となります。 |
最小土被り | 基本的には管外径以上(1.0 D0)および、GL-1.20m以上といたします。 それより浅い土被り条件下については、地盤改良等が必要となります。 (本工法は、JR横断、軌道敷横断、河川横断は特に安定しております) |
支障物件離隔 | 横断方向の場合は、管外径の30%程度以上および、最低離隔B=0.30m以上といたします。 縦断方向の場合は、管外径×1.0以上でご検討ください。 |
流木、基礎杭 | ビットにより対応可能です(RC杭、PC杭、木杭切削対応ビットが必要)。 |
メタン等土質 | 防爆機器、換気設備検知システム等(遠隔無人化システム)が別途計上されますが、 掘進には問題ありません(完全防爆仕様は呼び径1,200mmより対応可能)。 |
均等係数 | 均等係数5.0程度まで対応可能ですが、5.0程度以下の場合は切羽保持が困難となることがあるため、 地盤改良等の補助工法が必要となります。 |
標準施工延長 | 標準設備での許容推進延長はL=500mとします。 |
(2)掘削機能力・玉石対応能力
1)取込型
呼び径(mm) | 600 | 700 | 800※ | 900 | 1,000※ | 1,100 | 1,200※ |
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排土口径(mm) | 200×170 | 250×200 | 300×250 | 350×300 | 400×350 | 450×400 | 500×450 |
玉石摘出径(mm) | 70 | 70 | 300×250 | 350×300 | 400×350 | 450×400 | 500×450 |
カッタートルク(kN・m) | 8.6 | 17.1 | 21.2 | 21.7 | 36.3 | 36.3 | 52.6 |
α値(トルク/マシン外径3) | 17.4 | 22 | 21.2 | 15.4 | 19 | 14.8 | 16.6 |
呼び径(mm) | 1,350 | 1,500※ | 1,650 | 1,800 | 2,000 | 2,200 | 2,400 |
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排土口径(mm) | 500×450 | 500×500 | 500×500 | 500×500 | 500×500 | 500×500 | 500×500 |
玉石摘出径(mm) | 500×450 | 500×500 | 500×500 | 500×500 | 500×500 | 500×500 | 500×500 |
カッタートルク(kN・m) | 82 | 83.3 | 130 | 155 | 173.3 | 173.6 | 237 |
α値(トルク/マシン外径3) | 18.6 | 13.8 | 16.5 | 15.4 | 12.7 | 9.7 | 10.2 |
2)破砕型
呼び径(mm) | 600 | 700 | 800 | 900 | 1,000 | 1,100 | 1,200 | 1,350 | 1,500 | 1,650 | 1,800 | 2,000 |
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排土口径(mm) | 150 | 150 | 200 | 250 | 300 | 350 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 |
最大対応玉石径(mm) | 300 | 490 | 800 | 900 | 1,000 | 1,100 | 1,200 | 1,350 | 1,500 | 1,650 | 1,800 | 2,000 |
3)超急曲線適応能力
超急曲線掘進機等の曲線半径能力
呼び径(mm) | 600 | 700 | 800 | 900 | 1,000 | 1,100 | 1,200 | |
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取込型 破砕型 共通 |
超急曲線機 | R=30m | R=30m | R=10m | R=12m | R=15m | R=15m | R=15m |
標準機 | R=30m | R=35m | R=40m | R=45m | R=50m |
呼び径(mm) | 1,350 | 1,500 | 1,650 | 1,800 | 2,000 | 2,200 | 2,400 | |
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取込型 破砕型 共通 |
超急曲線機 | R=25m | R=20m | R=20m | R=25m | R=25m | R=25m | R=25m |
標準機 | R=55m | R=60m | R=70m | R=75m | R=80m | R=80m | R=80m |
- 注)1.超急曲線適応能力は、掘進機中折装置能力により決定しております。
超急曲線機は球面フランジと方向修正ジャッキの本数が標準機と比べ大幅に増加(3~5段中折れ方式)しているため曲線能力に優れております。 - 注)2.表内の※印については貫入リング方式にて対応可能です。それ以外については事前打合せをお願いいたします。
- 注)3.岩盤についての曲線能力は性状により検討を要します。
- 注)4.Φ2,200mm以上の破砕型掘進機については、事前打合せをお願いいたします。
- 注)5.呼び径600・700mmのレジン管等では、管内乱反射により、自動計測・測量装置が使用しにくいため、曲線施工は除外いたします。
- 注)6.レジン管におけるTRSの設置については、回収型TRSのみの対応といたします(呼び径600~2,400mmまで対応が可能)。
- 注)7.超急曲線推進におけるリターン回収を行う場合には別途検討いたします。
- 注)8.上記以上の管径(Φ2,600mm以上)についても対応可能ですが、その都度検討いたします。
(3)土質分類
記号 | 土質 | 詳細・説明 | |
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取込型 掘進機 | A | 標準土層 (普通土層) |
粘性土N値10未満、砂質土N値30未満 |
礫率30%未満でN値30未満の普通土質 | |||
B | 砂質土層 (礫混り) |
N値30~50未満、最大礫径20mm未満、礫率30%未満 | |
C-1 | 砂礫土層 (玉石混り) |
礫率30~45%以下、N値20~30以下 | |
C-2 | 礫率46~60%以下、N値31~40以下 | ||
C-3 | 礫率61~90%以下、N値41~50/10以下 | ||
D-1 | 粘性土層 硬質土層 |
N値10~30未満 | |
D-2 | N値30~50/20未満 | ||
D-3 | N値50/20~50/5未満 一軸圧縮強度5MPa未満 | ||
破砕型 掘進機 | G-1-(1) | 粘性土層 硬質土層 |
N値10~30未満 |
G-1-(2) | N値30~50/20未満 | ||
G-1-(3) | N値50/20~50/5未満 一軸圧縮強度5MPa未満 | ||
G-2-(1) | 巨石 玉石層 |
取込型掘進機による取込が不可能で呼び径の50%未満の玉石 | |
G-2-(2) | 呼び径の50~70%未満の玉石 | ||
G-2-(3) | 呼び径の70~100%以下の玉石 | ||
G-3-(1) | 岩盤層 | N値50/5~一軸圧縮強度20MPa(MN/m2)未満 | |
G-3-(2) | 一軸圧縮強度20MPa(MN/m2)~50MPa(MN/m2)未満 | ||
G-3-(3) | 一軸圧縮強度50MPa(MN/m2)~80MPa(MN/m2)未満 | ||
G-3-(4) | 一軸圧縮強度80MPa(MN/m2)~120MPa(MN/m2)未満 | ||
G-3-(5) | 一軸圧縮強度120MPa(MN/m2)~150MPa(MN/m2)未満 | ||
G-3-(6) | 一軸圧縮強度150MPa(MN/m2)~200MPa(MN/m2)程度まで |
- 注)1.呼び径600mm取込型掘進機での硬質土層においては、N値50/20、一軸圧縮強度5MPaまでの対応とし、それ以上の条件については破砕型掘進機を使用いたします。
- 注)2.巨石・玉石層での玉石の一軸圧縮強度は、350MPa(MN/m2)程度まで(岩盤層は除く)とし、一軸圧縮強度が300MPa以上の巨石の場合は、呼び径の80%程度とします。 ただし、石質によってはそれ以上も対応可能とします。
- 注)3.呼び径600mm破砕型掘進機での玉石径においては、呼び径の50%未満(G-2-(1))、 呼び径700mm破砕型掘進機での玉石径においては、呼び径の70%未満(G-2-(2))の対応といたします。
- 注)4.呼び径600mm破砕型掘進機での岩盤層においては、一軸圧縮強度30MPa(G-3-(1))未満、 呼び径700mm破砕型掘進機での岩盤層においては、一軸圧縮強度80MPa(G-3-(3))未満の対応といたします。
- 注)5.透水係数の結果によっては、地盤改良の検討を必要といたします。
- 注)6.土質条件が取込型掘進機の範疇であっても、施工性の観点から破砕型掘進機を使用する場合があります。
- 注)7.呼び径600・700mmにおけるC土質への対応は、破砕型掘進機を使用いたします。