巨石・岩盤破砕型掘進機
破砕型掘進機のカッタ形状
カッタヘッド の形状 |
垂直平形 面盤タイプ |
芯抜き形 スポークタイプ |
ドーム形 | すり鉢形 カッタ単体タイプ |
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イメージ図 | ![]() |
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概要・特徴 | 泥水式シールド工法、泥水式推進工法に多く用いられている。カッタビットは切羽崩壊防止の役割を主目的に面盤が装備されているため、掘削土砂の取り込み制限を余儀なくされ、破砕効果は制約を受け易いが、ビットの保護の観点からは適している。そのため、押し付け力の増加により破砕効率の向上を図る場合が多い。また、面盤開口率が非常に少ないため、粘性土地盤を含む複合地盤の施工では開口スリットの閉塞現象が発生しやすい。 | 泥土圧シールド工法、泥濃式推進工法に多く用いられている。切羽開口率が大きいため、チャンバ内の土圧を切羽に容易に伝達できる。基本的に粘性土~砂礫層までの対応が可能であるが、硬質地盤の場合はローラビットの取り付け位置の制約や最外周への抵抗増加が懸念されるセンタ駆動方式では注意が必要である。よって、主軸・アームのボア径の大口径化やアーム本数の増加により補い、硬質地盤に対応しなければならない。 | TBM工法、シールド工法の巨石層や岩盤に多く用いられている。特に硬質地盤に適用される場合が多い。ドーム型ゆえに最外周部側面までディスクカッタを設置することが可能な利点があるが、推進工法への適用は、掘削破砕片が掘削余掘部に残置されやすくなり、周辺摩擦の増大を招きやすいため不向きである。 | 一般的にダウンザホール工法や小口径泥土圧推進工法、泥濃式推進工法に用いられる。片持ち固定によるビットを突出した状態のカッタ構造とし、中心部に向けて、すり鉢状にビットを配置し、ビット自体の破砕効果を高める。片持ち固定となるため、カッタ台座の固定方法を工夫する必要があるが、多数のビットを直接破砕面に作用させると同時に、衝突破砕も期待できるため、破砕効果が高い。 |
破砕型掘進機のカッタ仕様
カッタビット の形状 |
ディスクカッタ | チップインサート ディスクカッタ |
チップインサート コーンカッタ |
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イメージ写真 | ![]() |
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概要・特徴 | 鋭角な鋭い刃先により、巨石や岩盤面を切削し、その切削跡にディスクカッタ本体斜面を押し当てて強い押し付け力とカッタの回転力により破砕する構造となっている。よって、破砕面は後方からの大きな推進力やカッタトルクおよび地山の支持力が必要となる。 | ディスク表面に超硬チップを埋め込み、鋭角な鋭い刃先とインサートされた超硬チップにより、巨石や岩盤面を切削し、その切削跡にディスクカッタ本体斜面を押し当てて強い推進力とカッタの回転力により破砕する構造となっている。したがって、ディスクカッタより押し付け力は若干小さくなるため、対象地盤の適用範囲は拡大される。 | コーン状のカッタ表面に超硬チップを埋め込み、破砕面に複数のチップを点載荷させ、表面剥離を促進し、大割れさせた後に破砕を進行させる。そのため、極端な押し付け力を必要とせず、破砕効果を最大限に高めることができる。また、カッタ本体がコーン形状のため玉石層では自由断面ができ、大割後の破砕片同士の衝突破砕が期待できる。 |
カッタ転送距離ライフ(破砕型メカニズム)
ディスクカッタの場合

- (a)表面小片破砕
- (b)小破砕進行
(斜線部分) - (c)亀裂進行
- (d)破砕進行
チップインサートコーンカッタの場合

- (a)表面小片破砕
- (b)表面剥離破砕
- (c)2~3分割に大破砕
- (d)破砕進行
カッタ転送距離ライフ(チップ形状別の特性)
チップ形状 | イメージ | 特徴 | 切込み比 |
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ボール型 | ![]() |
切込み深さについては最も少ないが、ビット欠損が少なく耐摩耗性に優れている | 1.0 |
チゼル型 | ![]() |
切込み深さは中間に位置し、衝撃破砕に有効なため、巨石・玉石に適している | 1.5 |
二段円錐型 | ![]() |
連続性の高い切削が期待できるため、時間当りの切込み量は秀でているが、 ポイントロードのため、先端部磨耗は早く高硬度のものが望まれる | 2.0 |
カッタ転送距離ライフ
掘削時間ライフ(h)

掘削距離ライフ(m)

- λ
- :カッタ転送距離ライフ(km)
- rm
- :最外周カッタ回転平均半径(m)
- n
- :カッタ回転数(rpm)
- V
- :平均掘進速度(m/h)
例① Φ800mm qu=50MPa 緑色片岩 転送距離=1000km
最外周カッタ回転平均半径(m) | 0.525 |
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カッタ回転数(rpm) | 4.3 |
平均掘進速度(mm/min) | 13.5 |
平均掘進速度(m/h) | 0.8 |
カッタ転送距離ライフ(km) 緑色片岩 | 1000 |
掘削時間ライフ(h) | 1175 |
掘削距離ライフ(m) | 952 |
例② Φ800mm qu=150MPa 花崗岩 転送距離=500km
最外周カッタ回転平均半径(m) | 0.525 |
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カッタ回転数(rpm) | 4.3 |
平均掘進速度(mm/min) | 5.06 |
平均掘進速度(m/h) | 0.3 |
カッタ転送距離ライフ(km) 花崗岩 | 500 |
掘削時間ライフ(h) | 588 |
掘削距離ライフ(m) | 178 |
超流バランス式破砕型掘進機

ビット単体タイプ

面板タイプ(高開口率型)
呼び径(mm) | 600 | 700 | 800 | 900 | 1,000 | 1,100 | 1,200 | 1,350 | 1,500 | 1,650 | 1,800 | 2,000 |
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排土口径(mm) | 150 | 150 | 200 | 250 | 300 | 350 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 |
最大対応玉石径(mm) | 300 | 490 | 800 | 900 | 1,000 | 1,100 | 1,200 | 1,350 | 1,500 | 1,650 | 1,800 | 2,000 |
土質 | G-1 土質 |
G-2 土質(巨石・玉石層) |
G-3 土質(岩盤層) | |||||||
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軟岩 | 中硬岩 | 硬岩 | ||||||||
玉石径 一軸圧縮強度 |
5MPa未満 | 呼び径 × 35~50% |
呼び径 × 50~70% |
呼び径 × 70~100% |
5MPa ~ 20MPa |
20MPa ~ 50MPa |
50MPa ~ 80MPa |
80MPa ~ 120MPa |
120MPa ~ 150MPa |
150MPa ~ 200MPa |
摩耗限界長 | 800m | 600m | 400m | 350m | 650m ~ 550m |
550m ~ 450m |
450m ~ 350m |
350m ~ 250m |
250m ~ 150m |
150m ~ 50m |
1MPa=1MN/㎡
- 注)1.A土質の場合、ビット補修費は未計上。
- 注)2.ビット摩耗限界長を超える場合には、ローラビット径およびビット個数等を再検討いたします。
(別途見積計上)。